よたか2016.01.24 23:58:00
なにかと話題のイスラム教をもっと知りたくて、大ナゴヤ大学の「イスラームを知る~名古屋モスクから世界を見つめる~」に参加して来ました。この記事は、私の覚えとして書いてますので、指摘を受けても対応しません。
イスラムそのものの教義や考え方については、名古屋モスクのサイトを見てもらった方がいいと思います。
この日の参加費用は1,000円。その後の食事は2,000円までのパキスタン料理が予定されています。
集合は地下鉄本陣駅3番出口。いったんココに集合してから移動するようです。
あらかじめスカーフで髪を隠したり、諸注意を徹底するための様ですが、少し緊張しますね。
5分ほど歩いて『名古屋モスク』に到着です。割とこじんまりとした建物で、見た目には、宗教関係の建物独特の仰々しさを感じません。
すぐに中に通されて4階まで上がります。中は土禁。1階の奥には、手足を洗う簡易シャワーの様な水回りがありました。礼拝の前に体を清める為に準備しているそうです。
4階に上がって会場に入ると、40代くらいの小柄な女性が座ってみえました。
このきっちりとスカーフを被ってみえたのが、今日の先生〝サラ クレシ好美〟さんです。
サラさんって、すごく変わった経歴の方なんです。
日本人で、神学校までいかれて、バプテスト教会でバプテスマ(一般的な洗礼)をし、後にカトリックへ改宗、今のご主人と結婚するのを機にイスラムに改宗されたんだそうです。
改宗せずに結婚する方法もあったのかも知れないけど、違う価値観で子どもを育てるのは無理があると考えられたので、7年迷ったあげくイヤイヤ改宗されたらしいです。
イスラムは改宗を強要しないので、迷う事になったらしいのですが、別に改宗してもたいした事はなかったと言ってみえたのが印象的でした。
ある意味、今日の勉強会にこれほど最適な方もみえないかもしれない。私はこの時点でイスラムよりも、サラさんに興味が湧きました。
日本人なので、日本の宗教観も理解されてみえるし、旧約聖書、新約聖書をしっかり覚えるプロテスタントでもあり、カトリックでもあった。そして、パキスタンからみえたご主人がモスクを支えてみえる。
私の感覚では、イスラムの先生というよりも、宗教の疑問をなんでも教えてくれるおばちゃん。って感じですごく親しみを持てました。
その例として質問に対する答えが素晴らしかった。
私が出した質問
雑菌の多い豚肉は、砂漠での保存にむかないのでなるべく食べないようしていて、それが豚肉は不浄の肉の元だと聞いた事があります。その意見についてどうお考えですか? 過去の教訓が今もつづいている結果なのでしょうか? それとも神様のお告げだから従うべきなのでしょうか?
これは私自身の宗教観に関わる質問で、宗教とは人が生きていく教訓から成り立っていると思っているんです。ですのでサラさんの返事にはとても興味ありました。
サラさんの回答
まったくその通りだと思います。1,400年前、ユダヤ教も含めると3,000年以上も前に豚肉を食べるのはすごくリスクがあったと思うんです。だから食べるのは止めなよ。それが教えの元になったんだと思います。
では、今はもう大丈夫ではないか? いえ、それはやっぱり食べては行けないのです。それは神様が食べてはイケナイと言われたから食べないんです。
日本での食事でも、原材料名をしっかり確認してゼラチンやラードが使われていない食べものを探して口にしてます。
乳化剤やショートニングなどの二次原料や三次原料については確認が難しいのものでも、できる限り食べない努力をしています。
できる限りの努力をすれば、神様は許してくれるんです。
こんな感じの回答だったと思います。なんでもイスラムの考え方に『意志は行為に勝る』と言うのがあるらしく、努力するのならそれでいいよ。という事らしい。
この勉強会に行く前から、それなりに調べていたので、イスラムはかなり緩い宗教だとは思ってましたが、実際の教徒の方からいわれると、本当に説得力がありますね。
この他にも、サラさんならではの考察でイスラムの説明がありましたけど、他の宗教との比較が明確ですぐに理解できた。むろん疑問点も出てきましたが、それはまとめて伺いたいと思います。
グループディスカッションで『最後になにか質問を考えよう』とテーマが出されたのですけど、私は、聞きたい事が2つあったんです。
1つはイスラム銀行。そして第一次世界大戦前のアラビアの世界のこと。
しかし、見事に却下。
でもね他の人が「子どもたちは日本語で勉強してるんですか?」って質問を出した時は心からあきれました。日本で生まれて学校に行ってるのに、日本語が使えないわけないでしょ。
「日本に住んでる人に『日本語できますか?』って聞くのは失礼だよね」
ごめんなさい。 ちょっと感情的に、突き刺してしまいました。
でも、この2時間話をしてきて、そんな理解しかできない人がいると思うと、かなり残念な気持ちになってしまいました。
結局うちのグループからはこんな質問
初詣して、お寺参りして、クリスマスだの、バレンタインだのやってる日本なら、イスラムのお祭りも受け入れるのではないでしょうか?
〝ラマダン〟が楽しいイベントにできるなら、流行らせてみてはどうでしょう?
サラさんは、イスラムのお祭りは結構地味だから、無理があるかもしれない。と言いつつも「ラマダンの時は、日が沈んだあとモスクでパーティーやってますから来てください」と誘ってくれました。
基本的に、タダで食べてもらうんだそうですが、心付けは受け取ってくれるらしい。(今年のラマダンは6月6日 〜7月5日です)
だれか一緒にいきませんか?
礼拝も見せてもらったけど、コレだけはちょっと苦手かな。子どもの時に、無理矢理、天理の教会でお手振りやらされた記憶が蘇った。
ただ印象的なのは「礼拝はご挨拶で、祈願じゃない」と言われた事。これは以前天理の教会で聞いたのと同じ。イスラムが身近に感じたのはこの時でした。
最後に夕食会。といっても近くのパキスタン料理の店でしたのでカレーがメインです。
少々盛上がりに欠けるテーブルでしたけど、それでも食事はおいしかった。
前回も感じたんだけど、大ナゴヤ大学って何かしら壁を感じるんですよね。
スタッフ側の意識が高すぎて、ゲストが入り込めない感じといえばわかってもらえるでしょうか?
最後になりましたけど、聞けなかった事をサラさんに伺いました。
「第一次世界大戦前のすごく自由だったアラビアの世界がイギリス人(アラビアのロレンス)のせいで戦争に巻き込まれて分裂し、パレスチナは住む場所を失いましたけど……」
ココまで言うと、堰を切ったようにたくさんのコメントもらえたんです。
内容は、歴史教科書に近い内容でしたけど、その勢いからイスラムに対する偏見の元についていつも考えてみえる事だけは理解できました。
やっぱり聞いてよかった。
サラさん。というか、名古屋のイスラム教徒の方々は布教をしてるんじゃなくて、日本人に理解してもらうこと、そして日本社会と共存を目指しているのではないかと何となく感じる事ができました。
やっぱり、イスラムについて知る事、話をする事、議論する事が大事だと思いました。
独裁政権の多いアラブの国々の問題や、イスラム文化圏など諸々の問題についてもっと聞きたかったけど、今回はそれほどの余裕はありませんでした。
でも機会を作って聞いてみたいと思います。