よたか2014.09.04 22:31:38
旧暦の7月9日、岐阜県中津川市加子母の小郷で行われる「ナメクジ祭」に、先生の実家に来ていた3人の小学生が行く話しです。pixivでリンメイさんが「1週間小説コンテスト」やろうと提案されて見えたので、参加させていただく事にして、この「舞子御前」を書かせていただきました。
1週間以内の縛りはもちろん。5,000字以内とか、3×3のお題から組み合わせて使う事などちょっと縛りはありますが、30分とかじゃないので、まだ楽勝かな。
とは言ったものの、お題の組み合わせが辛い。どれも私ムキじゃない。でも文句は言わずに「静かな」と「なめくじ」を選んで書きはじめました。
とりあえず検索してみて「なめくじ祭」なるモノがあったので、ちょっと探ると平家物語にもちょっとだけ書かれている逸話なので、迷わずコレを題材にする事に決めました。しかし、後から考えるとコレがマズかった。
場所的には何度か通った事があるアタリだし、はなし言葉に馴染みもある。なんと言っても題材が面白い。
旦那の従姉と浮気した奥さんが浮気相手に結婚を迫られて旦那殺害をほのめかしながら、覚悟して自分を殺させる。しかも浮気相手は出家して源頼朝の尻を叩いた文覚上人。
おぉ、筆が進む進む。こんな書きやすいネタなんて久々。やっぱり短いからかな?
なんて思ってネットで調べながら書き進んでいると、この題材を使った人形浄瑠璃があるらしい。たしかに人形浄瑠璃とかに出てきそうな題材だしそうかもね。なんてのんきに構えていた。
この話し、見方によってイロイロ切り口があるんですよね。三角関係の恋愛物かもしれないし、歴史を動かす運命みたいな話しとか。だけど5,000字で書くには壮大過ぎる。
ここは私らしく、過去の話しから『許し』を考える作品にして見ようと思いました。さて書き上がったところで、推敲をかねて内容を確認するためにネットでチェックをしていると恐ろしい事実を知ってしまった。
このモチーフで上方落語に『袈裟御前』ってのがあった。「まぁ上方落語だし浄瑠璃の延長かな」なんて思っていたけど、芥川龍之介も『袈裟と盛遠』という掌編を書いてた。
その上、菊池寛の『袈裟の良人』に至っては『地獄門』として映画化され、カンヌ映画祭でグランプリを取っていた。
正直こんな大作と同じモチーフだったなんてちょっとキツイ。
浅学を晒す事になってしまい恥ずかしい限りなのです。ですが折角書いたので、自信をもって公開させていただきます。
ただなぁ、こう言った史実に基づいた話しっていつもは、もっと資料を集めたり現場に行ったりして書くんだけど、今回それさえもやってないし、やっぱり自信がない。
多分間違いとかイロイロあるんだろうけど、コンテスト終ってから修正しようと思ってます。とにかくよろしくお願いいたします。
舞子御前 (お題:静かななめくじ)