よたか2007.11.24 06:09:48
5月に撮った牡丹
いつだったかNHKの「平成復元模写 源氏物語絵巻」見て興味を持ち、源氏物語絵巻見たくて仕方なかったんです。
今年の5月に牡丹の写真を撮りに徳川園に行ったときに今月の特別展を知り、半年間ずっと楽しみにしておりました。
「徳川美術館」は尾張徳川家の重宝を収蔵している美術館で、刀とか、鎧から、お茶の道具などが常設されているんですが、併設する「蓬左文庫」とあわせて、多くの書物、図版などが保管されており、その中に「国宝源氏物語絵巻」があるのです。
(写真は美術館の玄関)
まさか、展示されている物を撮影する訳にいかないので、せめて、懸垂幕だけ撮ってきました。でも、あまりよくわかりませんね。
復元模写、現状模写
江戸時代以来、何度が「復元模写、現状模写」する事はなされて来たのですが、今回は、染料やなどの成分から、何が使われているかを解析して復元されたそうです。
江戸時代に復元された物(住吉模本)も展示されていましたが、筆遣いが力強すぎて、全くちがう巻物になっていましたし、戦後間もない頃復元された物に、理想の色を出す為にあえて“木刷り”にして制作されたものもありました。
昭和に復元されて物でも、既に銀(一部プラチナ)の輝きが鈍いようにも感じました。
上品に輝く白
それに比べて、平成の復元模写で、もっとも印象的だったのは、“白”ですね。通常印刷では、紙白といって、紙の色を白として“誤魔化す”のですが、この源氏物語絵巻では、鉛白(おしろいとして使われていたらしいが、毒性が強い)と銀をつかって、輝くばかりの白を表現してました。
とてもキレイな白なので、赤や青がますますハッキリしてきます。
しかし、これは、実際に見ないとわかりませんね。絵はがき買ってきましたが、この白の美しさは伝わってきません。
何度も模写される事
平安時代に源氏物語に触れた人はきっと、とっても感動したんでしょうね。何度も何度も読み返すうちに、具体的な情景を想像し、絵を仕上げ、現在残っている「源氏物語絵巻」を作り上げてきたのではないでしょうか?
後世の人びとは、そうして作られた作品を見て「残さなければならない作品」として、心血を注いで、継承にあたってきたのでしょうか?
そう考えると思いはつきませんが、紫式部もこの源氏物語絵巻を描いた人も、1000年残る作品を作ったという事ですよね。
そう考えると、1000年とは言いませんが、せめて100年残るものを作れないと「絵師」だの「職人」だのと名乗れない気がします。
作ることを生業にしている以上やはりその辺を目指すべきなのでしょうね。きっと。
徳川園で結婚式
庭園で結婚式をしているのを見かけました。昔のボッコイ建物でしたけど、うちもここで結婚式を挙げたので、ちょっと懐かしかったです。