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マグリッドの作品は、題名が一番シュールでした

よたか2015.08.17 00:00:00

子どもの頃に図鑑で見た絵『大家族』。
大家族画像検索
「海も空も嵐もこの世の全ての物は家族。大家族だ」みたいな説明がついていたと思うんだけど、子供心にこの説明は違うと直感していた。
そんな説明よりも、この絵の構成とか斬新さに惹かれて、自分の中で1度は本物を見てみたいリストに入れてしまいました。

斬新と言っても、描かれたのが1963年なのでわたしが生まれる1年前。初めて見たのが10歳の頃なので、新しくともなんともなかったんですけどそんな事を感じさせないくらい新鮮な絵でした。

そんなマグリッドの展示会が行われているのを知って、いてもたってもいられずに京都まで行ってきました。

どの作品も50年以上も前に描かれているのに、古さを感じない。むしろ今の絵はまだ追いついてないようにも思える。そんな不思議な感覚を覚えてしまいました。

とはいえ、絵についての本人のコメントは読むに値しないものがほとんど、哲学かぶれのどこぞのオヤジが畑違いのコメントをしてるみたいで退屈そのものでした。

きっと頭の中ではもっとスゴイ映像でいっぱいになっていて、言葉が追いついてないんだと思いました。こんなオヤジ側にいたら鬱陶しいだけのひねくれ者なんだと思います。
そのせいかどうか解りませんが、タイトルがどれもシュールすぎてついて行けません。前述の大家族しかり、ピレネーの城しかり、適当に付けた感じがしてなりません。

マグリッドというと、割と見やすいシュールレアリズムだと思うんですけど、黒を使って影を表現してるので絵全体が少し気持ち悪く感じますよね。
塗り方も緻密な表現というよりも以外とべた塗りな感じがする。

それでも終戦頃には印象派を真似た「ルノアールの時代」があったらしい。人の影は補色の緑か茶を使い、筆のタッチを残して描いている。でもちょっとディティールはちょっときもち悪いモノもあったりする。すごくアンバランス。
当時の人からの評価もまっぷたつに別れていたらしい。

しかし、40代までの作品の点数がすごいですね。たった1年で何枚描いてるんだろうって思います。商業デザインの仕事を並行してやっていた様なので、今風にいうと商業デザインで飯を食ってる同人イラストレータって感じでしょうか?

そして50歳をすぎたあたりで絵だけで生計が成り立ったらしいですけど、大家族はその頃の作品らしいです。わたしの中のイメージは2mを超える大作だと思っていたのですが、実際は1mくらいの絵画でした。

以外と小さいな。
ピレネーの城はあんなにデカかったから期待してたんだけどな。
ちょっと残念な気持ち。

そうそう、残念と言えば京都の美術館も残念でした。
光の影響で絵がギラついてちゃんと見えない。
保護用のアクリルに自分が映り込んで絵が台無し。
ケースの中の絵が傾いてる。
大きな絵の後ろにスペースが無いので全体を見にくい。

会期中、エアコンの故障もあったらしいけど、ちょっと設備面で考えた方がいいかもしれませんね。

とはいえ『大家族』を間近で見られたのは本当に嬉しかったのでこれだけでもう満足しました。