よたか2014.07.12 02:01:37
1944年8月に沖縄から学童疎開のため鹿児島に向かっていた対馬丸がアメリカ潜水艦に撃沈され、1,800人のうち1,500人の子どもたちが亡くなった戦闘について、サンデー毎日7.20号によると対馬丸記念館に訪問した天皇陛下が「護衛の駆逐艦は子供たちを助けなかっのですか?」と聞かれたとか。サンデー毎日によると「護衛艦は何もしないでにげだした」と書いてあるらしい。
この戦闘についてよく知らないのだけど、上っ面だけ見るとコレは仕方ないと思うんですよね。
だって、敵潜水艦が居る海域。1隻かどうかも解らない現状で救助活動なんてやってたらいい的。それこそ確実に撃沈されてしまいます。
実際に、撃沈された貨客船の救助活動中に沈められた船があるので、こういった場合には逃げる事に決まっていたようです。
それに、他にも学童を乗せていた船があったらしいので、そのまま救助活動を行っていれば確実に被害が広がるだけでしょうから、艦長かなんだか知らないけど、その人の判断は正しいのだと思います。
でも心情的にどうしても納得できない。自分たちが助かる為に子どもたちが漂っている海上に爆雷をバラまいて潜水艦を牽制しつつ離脱するなんてカッコ悪すぎじゃないですか。
まるで戦争アニメに出てくる臆病な上官の様です。アニメならヒーローが登場する場面ですが現実では誰もヒーローにはなれなかったようです。
じゃ、自分が現場の責任者だったらどうするか? まぁ艦長なんて立場じゃないけどどういう行動がベストなのか少し考えてみました。
まずこの駆逐艦は任務を果たす事が出来ませんでした。護衛と言う任務なので船を沈められないコトが前提です。
この戦闘でいえば潜水艦を索敵して、近づけないもしくは敵潜水艦を沈めるコトが任務のはずです。ですが、アメリカ潜水艦は対馬丸を攻撃して沈没させました。
つまり、この駆逐艦の任務は沈没した時点で失敗して終了していたんです。そして敵と遭遇した場合は当然交戦する事になります。
当時の駆逐艦なんてソナーで潜水艦を索敵して居そうな場所に爆雷放り込むしかありませんが、潜水艦は息を殺してチャンスを伺い、魚雷を打ち込んできます。
そう、爆雷を撒くのを辞めて、船を停めてしまえば潜水艦の餌食です。もっともこの時の潜水艦は水上攻撃だったので、爆雷を使う必要は無かったんですけど。
どちらにせよ、どうしても子どもたちを助けたいなら一時停戦して救助活動を行う必要があります。そう。『白旗』上げて一時停戦を申し入れて救助活動をすればもっと多くの子どもたちは助かったのかもしれません。
だけど、そんなコトをすれば帰港してから必ず処罰を受けてしまうでしょう。当時の日本なら『戦わずに白旗を上げた』とか言われるんでしょうね。きっと。
現場の責任者には、たとえ処罰されても救助活動をする選択をして欲しかったですね。
でもねそれ以上にこの記事にはとても作為的なものを感じるんです。
天皇陛下の言葉を使って、反安倍政権に結びつけて煽ってる感じを受けてしまいます。案の定FBのコメントもそんなので一杯ですね。
「兵隊(自衛隊)は国民を守らない」なんて災害時に最前線に立っている自衛官の人たちに言えますか?
なんだか週刊誌の記事に踊らされて馬鹿みたい。コメントなんて何かのテンプレートをコピーしたみたいできもち悪い。もう少し自分で考えて発言するべきだと思うんですけどね。本当に考えてますか?
この戦闘について詳細は知らないのだけど、せめてアメリカに抗議はして欲しい。
なんせ「対馬丸」を撃沈した「ボーフィン」は「真珠湾攻撃の復讐者」としてハワイに展示されているらしいです。
軍の徴用船で物資の輸送をしていたとはいえ、1,800人もの子どもたちが乗っていた船。高射砲までついていたので謝罪は無理だと思いますが、せめて弔意くらいは示して欲しい。なのにまさかの英雄扱い。
ありえない。
せめてこの事をアメリカに抗議する所からはじめて欲しいです。