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8/8 WCAN「Nucleusが生き残っているわけ」

よたか2009.08.08 07:09:37

8/8にWCANのLTの内容です。

Nucleusは割とはやい時期に作られたBlogツールで、わりと息の長いCMSの一つといえます。
そんなにユーザーが多い訳でもないし、コミュニティーがとても親切とも言えず、解説本に至っては1冊しかありません。
それでも、Nucleusは生き残っているのですが、その理由を私なりに考えてみました。


■ひとつめ。無料

GPLライセンスを守りさえすれば、個人利用、商業利用に関わらず無料で使い続ける事が可能です。


■ふたつめ。ワンシステム、マルチサイトが構築可能。

システムを1つインストールすれば、複数のサイトを構築する事が可能なので、同じクライアントの新規サイトを作成する際の手間を省く事が可能です。

同じアカウントが使え、新たにおぼえる事も少ないので、クライアント側も負担を減らす事ができます。

そしてなにより、バージョンアップする時の手間が違います。同じCMSでも複数あるとサイトの数だけ手間がかかりますが、システムがひとつなので、一回で済ます事が可能です。


■みっつめ。極端すぎるほどのプラグイン化1。提供者(コミュ)の利点

Nucleusはブログツールといいながら、トラックバックさえもプラグインになってます。もしかしたら、コアには入力フォームしかないのではないかとさえ思う時もあるくらいです。

こういったシステムにおいて「バージョンアップ」は一大イベントでこのイベントを乗り切れるかどうか、コミュの力量が試され、そのCMSが生き残れるかどうかの決まるのですが、Nucleusはコアの部分が軽いので、少ない工数でバージョンアップを繰り返してくる事ができました。

当然、プラグインもバージョンアップさせる必要がありますが、プラグインは作った人が各自でバージョンアップさせていきますので、実質完全な分業でバージョンアップがすすんで行く事になるのです。


■よっつめ。極端すぎるほどのプラグイン化2。使う側の利点

プラグイン化してコアが軽くなる事で、ユーザー側にも大きな利益があります。こういったオープンソースを個人利用する場合はそうでもありませんが、商業利用となると、コアで手を加える事もままあります。

しかし、Nucleusのようにプラグインで対応させる事によりコアに手を加える必要はかなり減りますので、バージョン管理がかなり楽になります。

とはいうものの、文字コードの関係でそう上手くは行かない場合もありますが…。


■いつつめ。オリジナルのフレームワーク化。

決して敷居が低いとはいえませんが、オリジナルプラグインを作成する事で「オリジナルのフレームワーク」を構築する事が可能になります。

短い時間で技術的な事を説明するのはちょっと難しいのですが、具体例をあげると、無料で配布している、弊社の「はなまるスキン」は、普通のサイトを作るフレームワークとして作成されました。

あるときは短納期で、あるときは持ち込みのデザインに対応させるため、あるときはオリジナルのトーナメントシステム「トーナメントメーカー」用スキンとして、ほとんどの仕事をこのスキンをベースにして作成しております。



最期に、Nucleusは、決してお手軽なシステムではありません。ボタン一発インストールとは言えないと思います。でも、CMSは、インストールしたままほっとけば必ずセキュリティーホールにつながります。

インストールするにも、運営するにもそれなりの覚悟が必要だと思うんです。

また、そうした一見取っ付きやすそうなインターフェイスを作る事は、提供側の負担にもなり、そういった部分に注力する事によって、もっと大事な部分が見落とされてしまう事もあるのではないでしょうか?

個人的には、そういった敷居の高さを残す事も、大事なんだと考えており、これくらい飾りっけのないものの方が「プロのツール」ぽくて扱いやすいと感じております。