よたか2011.06.24 23:27:20
アニメの「電波女と青春男」が意外と面白かったので、入間人間の「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」を読んでみる事にしました。
たしかに、面白いとは思うんですけど、なんて言うんだろう?
この後味のわるさ。
1巻も2巻も、解決しない気持ちの悪い終り方だったのに、3巻はさらに輪をかけて居たたまれなくなってしまって4巻以降はパスさせてもらう事にしました。
設定とか面白いし「壊れた描写」(これがリアルなのかは知らないけど)もなかなか。途中途中で見せる文章の乱れも壊れた描写の隠し味になっているような気がする。
すごいなと思う反面、同じくらい気持ち悪くなって来た。
1年弱、監禁された子どもたちと、大人たちを殺して、感覚を閉じてしまった少女…作中ではこの少女の様子を「壊れた」と表現しているのですが、わたしが読んでいて、一番イライラしたのは、嘘つきの「みーくん」の方。
行動する理由のすべてが「まーちゃん」のため。
そのためなら、自分も含めてすべてを犠牲にする、ここが一番気持ちの悪い!
10巻近く出ているので、彼が成長していく様が描かれているのかも知れないけどわたしは普通のおじさんなので、もうごめんついていけない。
ネタばれで書かせてもらうと、
みーくんと、まーちゃんを誘拐してきた自分のオヤジに虐待され、まーちゃんが「壊れた」のを利用して、「みーくん」と入れ替わり、連続殺人犯の「みーくん」を「まーちゃん」から遠ざけてしまう。
その8年前の事件を軸に話が膨らんでいくのが面白いし、幼児性のある「まーちゃん」が意外にも可愛く思えて来る。
でもね、2巻で登場してきた、長瀬透を悪役にしたり、長瀬一樹が犯人だったりしたところは、読んでてかなり辛い。
それと、ここにいたる、推理が「コナン君なみ」なのが、1巻と2巻を比べると一番残念な部分かも知れません。
とは言っても、長瀬透との関係がなんとも切なすぎる…。
それにもまして、3巻のやるせなさと言ったらありゃしない。
死んだと思った妹が生きていた。
当然、無事に再会する訳ではなく、かなりの暴力的な描写。
まぁ、そこは、いい。
ブラコン、ツンデレ…とは言い過ぎだけど、まぁそれでながしてしまいましょう。
でもね、まーちゃんと妹の二者択一は避けて欲しかった。
って、いうか、さっさと、警察に連絡しておけよ。
妹の墓参りに云々という下りで締めてはいたけど、実は妹は生きてました的な展開もしてありそうだな。
今回なんで警察に連絡しなかったのかイマイチ理解出来ない。
妹が逮捕されるのを防ぐためといっても、結局最後にはまーちゃんを選んだ時点でもっと悪い結果だった訳だし。
一宮も殺されなくても済んだとも思うし、あぁ、納得いかん。
でもそれ以上に納得いかないのは、枇杷島の犯行動機。
男女の関係がこじれた場合、女が傷つけるのは、男じゃなくて、相手の女が先だと思うんだけどなぁ。
それでも、この納得いかない部分を差し引いても内容は面白かった。
あの気持ち悪い描写を乗り越えて読み続ける事が出来るのであれば、お勧めします。
それでも昼休みの食前食後に読むのは辞めた方がいいと思いますけど。
とりあえず「電波女と青春男」のアニメがもうすぐ終りそうなので、あらためて1巻から読み直してみようと思ってます。
あ、そうそう、電波女と青春男の駅前のシーンとか、通学路の陸橋とか、絶対名古屋だよなって思ってたら、本のあとがきに「名古屋駅前で打ち合わせして…」と書いてあった。
この人、この地区のひとなんだろうね。きっと。