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ハルヒが増々“かざり”扱いになっている様な気がする「涼宮ハルヒの驚愕」

よたか2011.05.29 01:50:37

「涼宮ハルヒの分裂」ですでにαとβに別れて書いてあるので、合流して終るのか、分裂させたまま終るのか、気にしつつ、期待して読み進めておりました。

2冊に別れていたので、当初は、αとβで別々なのかとも思いましたが、今まで通り、αとβが同時に進んでいきます。

そう言えば「学校を出よう!」の「上位世界」の干渉だったかな?でも似た書き方してたよね。

あのときは読むのに整理しながら、戸惑いながら読んでいたのですが、今回は、αとβがすんなり理解出来ます。

「九翟たちが登場しない云々」という記述をα側に書いてどちらがどちらの世界なのか、さりげなく読み手につたえていたりして混乱を防いでいたのかな?

この辺の書き方も含めて、ハルヒシリーズって、たとえや、表現が凝ってていいですよね。
長門の瞳の表現とか毎回違う表現だし、表情や状況のたとえが「雑学王」なみの表現で読むほどになんか賢くなった気がします。

そのどれもが、鬱陶しくなく、いいリズムで読み進める事が出来るのが魅力です。
この辺の「蘊蓄」調べる為に原稿が遅くなっているのではないかと勝手に想像する訳ですけど。

ただ、ここまでの知識があれば「キョン」はもっと賢いのではないかと思うのだけど、それじゃ面白くないですよね…。


以下ネタばれで書かせていただきます。

今回の話のポイントは「周防九翟」の出現につきると思うんです。「藤原」と名のる未来人も結局バックアップなしで動いていたので、たいした事できなかった訳だし「橘京子」しかり。

「九翟」の出現に対して「ハルヒ」が無意識に対応したのが今回の話なんですけど、

これをやっちゃうと「ハルヒ」自体が増々登場しづらくなって来る様な気がする。
SOS団のバタバタもこのシリーズの魅力だけど、傍若無人に振る舞う彼女の言動も魅力のはず。

そりゃ、一番よかったのは、ハルヒがあまり活躍してない「消失」なんですけど…。
映画作る話とか、文化祭ライブ、七夕ラプソディなど、彼女の勝手気ままな言動にも魅力があったのだから、これらのエピソードにも人気があったのだと思うんです。

九翟の存在に察知して、人知れず世界を分裂させて、自分の分身を生み出して対処しておきながら、全部無自覚って…。まるで体内で活躍する白血球のようではありませんか。
これだったら、どんな外敵が来ても、逆に「ハルヒ」関係なく対処出来ちゃうじゃん。
願わくば「学園物」の域をはみ出さないまま進んでくれるといいんだけどなぁ。「新たなる大きな敵」とか絶対出してほしくない。

ただ、今回は「キョン」の成長の物語だと考えるととても、面白いですよね。
「消失」の時に決心し、その決心をさらに固め、自分で出来る事を探して進んで行くのが今回の話ですよね。

ちょっと説明くさかったけど、過去を変える為にやって来た「未来人」を登場させて「現在が一番大事」だと再認識する所もいいけど、「長門」が倒れてしまって代わりに再登場した「朝倉」と「黄緑」さんが「九翟」と闘った時、「地球人のプライド」を掛けて宣言した時はちょっと身震いしました。

だから、最期に「キョン」は選択を誤った場合「殺されていた」と冷静に判断出来たのでしょうね。


うん、最期まで楽しく、気持ちよく読む事ができました。大満足です。
でも次はどうするんだろ?個人的には「渡橋泰水」と「佐々木」を登場させて欲しいんだけどな。

そうそう「佐々木」といえば、キャラデザインが少しイメージと違うんだけどなぁ。
もっとボーイッシュな感じをイメージしてるんだけど、

最初「佐々木」のカット見たとき「橘京子」だと思ってたもん。
「橘京子」も少し幼すぎですよね…。

さて、疑問がある部分を書いて終りたいと思います。

その1)分裂させることでなぜ「九翟」の攻撃を防ぐ事になるの?目障りな「九翟」と「藤原」をべつの世界に閉じ込めてしまうならわかるけど、もう一度合流させるなら同じじゃないのか?

その2)「藤原」と「九翟」は何故結託できたの?なにかの交換条件があったと思うんだけど「藤原」が「九翟」に差し出せる物があるとも思えないんだけどなぁ。

その3)αとβが同時進行の世界であれば、αで「キョン」が「ヤスミ」を見て感じた既視感はなぜ?βでは、全くの初対面のようだったけど。

一区切りついたし、アニメの「電波女と青春男」が以外と面白いので、今度は「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」読もうと思います。