よたか2011.05.13 23:52:07
短編を読み進めるごとに、魅力的に少年が成長していく様が、文学少女シリーズにふさわしい締めくくりだと思います。
脇役一人一人まできちんとフォローしてくれているところがこのシリーズの魅力の1つだと思うので、文学少女見習い「日坂菜乃」の後日談がない訳がない!と思っていたので、彼女が重要な役で登場してくれてとても嬉しかったな。
とはいうものの、「卒業」をまだ読んでないのですが…。
実はこの「快斗くん」は結構いやな奴だったりします。
年収1億とか、カリスマ作家とか鼻につく事やたら口にしますし、ファンレターをゴミ箱に捨てようとするし、人を見下すしたりしてる。
でもね、
遠子さんを想って空回りしてたり、イジメられた記憶に悩んで虚勢を張ってたりして、試行錯誤してるところが、憎みきれないんですよね。
「感じた事、考えた事、迷った事、悩んだ事、苦しんだ事 全てが星のように輝き、書く糧になる」
遠子さんの、この言葉がこの本の、このシリーズのテーマだったんだとあらためて感じました。
別に、作家に限らず、他の仕事でも同じなんですけど、普通は、先にいろいろ経験してから、仕事につくんでしょうけど、「快斗くん」は先に作家になっちゃって、経験が足りなかったから、「半熟作家」と言う事になんでしょうね。
このあと、「心葉くんと遠子さんの結婚生活」とか、「快斗くんと日坂菜乃」の事とか、美羽とか、琴吹さんとか気にし出すとキリがありませんけど、奇麗に終ってくれて本当にホッとしました。
あとは、一仕事終ったら「卒業」買ってこなきゃ。