よたか2011.03.23 16:44:34
以前、コミック版を読んで内容の壮絶さに思わず、買ってしまったハードカバー。
内容が内容だけに一気に読む事が出来ず途中までしか読んでないのですが、今回紹介したいのは、その中の1つ「禁断の森」1986年4月に事故を起こしたチェルノブイリの話です。
30キロ以内は立ち入って欲しくない、森の中にある物を食べるなんてもっての他。という建前?
ここは安全ですよと言って仕事を続ける原発の職員たち。
避難先で暮らしていけず、結局20キロ以内に舞い戻ってきてしまう老人たち。
彼らは海外からの物資があっても疎開先の子どもたちに送ってしまうのだとか。
著者は「関係を維持するため」と書いているが実際はわからない。
急速な民主化の為に食い詰めた人々もこの地区の空き家に住み着き始めているのだとか。
そして、「その日の命をつなぐ」ために危険だといわれているキノコや林檎を食べる。
一緒に「お酒」を飲めば大丈夫という迷信を自分に言い聞かせて「緩慢な危機」を選ぶ。
ウクライナ・グリーンピースの代表は、彼らの事を「説得を聞かない仕方のない人たち」と揶揄する。
この本を通して言えるのですが、ほとんどの日本人はこの代表とほとんど同じ立ち位置なんですよね。
10年も前の本ですが、読み返す価値は十分あると思います。
福島での事故の処理がどう進むのかまだ解りませんが、この事故を教訓にいろんな歪みが是正される事を切に願います。