よたか2005.11.30 00:23:18
これが一般的かどうかは解りませんが、長沢自身がデザイン、レイアウトをする時のワークフローを今回の課題を元にしてまとめてみました。
通常、かなりの部分をとばしていきなりオブジェクを配置しがちですが、その前の段階は頭の中でシュミレーションして製作しています。
- 内容の理解
- テキスト原稿をよんで内容を把握する事。今回の場合は商品広告なので、以下のように分析する。
- 商品名
- 見てくれる人々に最も知ってもらわなければならない部分。その事を考慮してデザインしなければならない。
- 商品スペック
- 販促(販売促進)物には必ず入れなければならない内容を総称して“スペック”と呼ぶ事にします。内容的にはさほど読ませる必要もないので、読む事ができればいい程度の扱いでいい。
- 6〜8pt程度の文字が目安。
- 価格
- 商品名の次に大事な部分だが、商品名の隣に配置するのではなく、内容を読み進めた最後に配置してあるのが理想的です。特価品でない限り出しゃばっては行けないが、必ず見てもらえる位置に配置する事。
- 商品紹介
- 商品の印象を伝える部分。今回の原稿だと、「カレービーンズとは…」「こんな場面におすすめ」「開発秘話」がそれにあたります。
- 原稿として消費者に伝えるテキストなのですが、それ以上に制作者が商品をより深く理解する為の文章であると認識すべきです。この商品紹介から商品内容を理解しなければ、広告物のデザイン、レイアウトする事ができません。
- 方向性の決定
商品紹介で商品のイメージをつかむ事が出来たら、材料の収集を始めます。
今回の商品紹介を読んで、インドカレー、インド料理、ビール、ヤミ付き、スパイシー、香辛料、辛いなどのキーワードが出てくるのが普通だと思います。ことさら“インド”を追求しすぎると方向を誤ってしまます。
材料は、写真の他、コピー等の文章、イラストやカットなどいろいろあります。場合によっては、集めた材料を見てから、方向を決定する場合もあると思いますが、そんな時は、方向を間違えないようにある程度製作した時点で確認し、すこしでもおかしいと感じたら、今迄作ってきたものをすっぱり捨てる勇気も必要です。
- デザインのテーマ
方向性を決めたら、自分の作ろうとするデザインのテーマを決めるのです。これは特に必要ではありませんが、やっておくと便利です。
今回の例で“エキゾチック”というテーマ決めれば、写真の選択を行うときは“エキゾチック”か否かを基準にして選択する事ができ、製作中に迷ったら“エキゾチック”かどうかと言う判断で方向を修正する事ができます。
- テーマカラーの決定
今回はカラーでの製作になりますので、テーマカラーを決定したいと思います。テーマカラーを決めているととても便利なのですが、陥りやすい点があります。テーマカラーを決めた場合、その色ばかりを無理に使うと全く効果がなくなります。逆に決定したテーマカラーを1カ所しか使わないのにすごく効果的な場合もあります。もともとのセンスなども関係しますが、私は経験に基づいた“技術的要素”の方がウェイトが大きいと思いますので、とにかく一点でも多くデザインし、作る事が大事です。
- メインビジュアルの配置と視線の計算
まず、A4縦のドキュメントにメインビジュアルを配置し、デザインの構成を考えます。この段階では、解像度とか、ファイル形式とか考えずに並べていきます。メインビジュアルが落ち着いたら、視線の流れを考えます。
通常、最初に目に入るのは、メインビジュアルそして、左上に誘導し商品名を見せ、コピーで内容を理解させ、価格、購入方法の部分まで誘導します。
このとき、視線の流れにリズムを作る事ができれば、言う事ありません。
- 商品名、コピー、スペック商品写真等オブジェクトの配置
先に決定した流れに沿ってオブジェクトを配置して行きます。画像の大きさ、コピーの分量、フォントなどを決定するのはこの時点です。
もし、文字がもっと欲しければ、文字のダミー□(とうふ、四角とか言ってます)を入れておいて、足りない部分を補い、文字量が多すぎれば、テーマに沿う範囲内で、テキストを短くします。このとき、漢字、カタカナ、ひらがなを使い分ける事ができれば、言う事ありません。
- パーツの作成、微調整、確認
装飾、タイトルロゴなどを製作、配置します。流れの強弱を利用して、目立たせる部分を決めたり、テーマカラーに沿って着色します。パーツの大きさやバランスをみて、サイズや位置を微調整し、最後にテーマに沿っているかどうかを確認してください。
もし、このときちょっとでもテーマに不安があれば、最初から作り直しましょう。