よたか2008.08.27 02:43:57
川崎のシネマコンプレックスで「闇の子供たち」を見て来ました。新宿のチケット屋で買った前売り券を名古屋で使おうと思いきや、名古屋での公開が終了していたので、東京からの帰りに川崎に寄ったのです。
キャストは、江口洋介/宮崎あおい/妻夫木聡/佐藤浩市と、とても豪華しかも主題歌は桑田佳祐。
しかし、チケットの背景画像にサブミナルのように出演者を刷込むセンスはちょっといただけませんね。
==== ココから先はネタばれのレビューです ====
人身売買というとても重いテーマ。タイの農村部で“売られた子供”が客を取らされ、あるものはエイズが発症して“ゴミ”として捨てられる。ホルモン注射の多用で死ぬ少年。そして心臓を抜き取られて殺されてしまう少女。
この子どもたちの客として描かれているのは外人たち。白人と日本人。
醜く太った白人男性に迫られる少年は、妖怪に襲われているようですし、少女をスーツケースに入れて運ぶ日本人男性はとても猟奇的。
檻に入れられ、最初は泣き叫んでいた子どもたちは、日に日に衰弱して無口になります。
この映画を語る時に「事実かどうか」を語られますが、ドキュメンタリーではないので、事実である必要はないと思うんです。
でもね、この映画が真実を元に作ってある事はちょっと調べればわかります。この映画と同じ扱いを受けている子供たちの画像がアダルトサイトに中にはいくらでもあります。東南アジアの子供たちだけでなく日本人に近い肌の色の子供たちもたくさん居ます。
画像の痛々しい少女達の表情は映画のそれと変わりません。
その扱いを考えると「臓器移植で殺される」子供がいたとしても信じてしまいます。
ただ、この映画肯定ばかり出来る映画でもないんですよね。
どうしても気になる演出はいくつもあるのですがその中で特に気になるカ所が2カ所。
1つ目は、集会での銃撃のシーン。まわりに警察が居るのに、そんなに目立つ暴れ方するの?
最初に撃つのが何故警官なの?演説している所長じゃないの?
隣にいた所員との会話も説明臭くてちょっとシラケてしまいました。
2つ目は、江口洋介の自殺について。彼が、少年愛者で自責の念で自殺したのはわかるけど、ストーリの展開上その必要があったのかは疑問です。
少年愛者である事が何らかの影響を与えていったり、もしくは誰かに懺悔するならそれもあるかもしれないけど首つり自殺はちょっと短絡的。正直このシーンでちょっと興ざめ。
エイズで亡くなったお姉さんの遺体を焼く時、母親(?)が泣き崩れます。死んだ我が子を思ってないているのか?子供を売らなければならない貧しさが悲しいのか?自分たちの無力さを嘆いたのか?
私は映画のテーマに近いこのシーンの方がずっと印象に残りました。
スタッフ側の「見て欲しい一心」が暴走してうるさく感じる場面も多々ありますが、見た方がいい映画だとは思います。