よたか2008.08.26 15:02:19
まいあめ工房で使う写真を撮りに池袋サンシャイン劇場のキャラメルボックスの公演に行きました。演目は「嵐になるまで待って」同劇団の成井豊さんの「あたしの嫌いな私の声」を原作とした舞台です。
■CAST
渡邊安理/細見大輔/西川浩幸/温井摩耶/三浦剛/石原善暢/阿部丈二/小林千恵
■GUEST
久松信美/土屋裕一(*pnish*)
■公演予定
東京公演/8/6〜31:サンシャイン劇場
福岡公演/9/4〜7:西鉄ホール
大阪公演/9/11〜16:イオン化粧品シアターBRAVA!
=====ココから下はネタばれのレビューです=====
「嵐になるまで待って」の原作は「あたしの嫌いな私の声」。
自分の低い声が嫌いな女の子。
この設定は人ごとじゃないなぁ。私の声はかなり高め。男声でありながら、電話で女性に間違われる事も一度や二度ではありません。嫌いだったし若い時には「声優」もちょっと頭をよぎった事もありました。
そんな訳で、はなっから、シンクロ率120%で原作を読んでおりました。
原作は「携帯電話」が普及するまえだったので、そのまま今に置きかえるのは無理な部分もあるように感じられますすが、意思を伝える手段が「筆談」から舞台では「手話」が加わる事により、時にダンスのような手話の訴えが舞台により大きな躍動感を与えたように感じます。
それは最初のシーンから…。
はじまりの登場人物全員での手話は圧巻。この数分間で舞台に完全に引き込まれてしまいました。
場面転換の多いこの話し限られた舞台でどう表現するのかちょっと意地悪な興味があったのですが、回想シーンからのスタートで前半の導入がとてもスマート。
広瀬教授の「語り」と「回想での進行」の切り替わるテンポが良くとても心地いい。
この「切替」によって、舞台の階段が、病院に見えたり、ホテルの最上階に見えたりするのがとても不思議な感覚。
もっとも絶妙なのは舞台を前後に遮る硝子。ドアとして、エレベータとして、回想の再現イメージとして、見ているうちに「次はどんなつかい方をしてくれるのだろ」って感じでどんどん期待が膨らんできます。
最後の方では「はやい切替」でスピード感が増してドキドキが増し、ユーリが「幸吉!」と叫ぶシーンを更に印象を強いものにし原作よりも気持ちが昂って、涙が出そうになりました。
あ〜ぁ歳とっちゃったなぁ〜 っとつくづく感じた次第です。
原作と比べるのも野暮ですが、原作では女性だった滝島が男性になったことで、話しが分かりやすくなっていたし、男性の私は入りやすかったです。
ただ、波多野の最後は、原作の方がよかったかも。正直、あの最後はないよなと思ったし、不気味な恐さを持続させる「何かつぶやきながら燃えているシーン」はそれはそれで舞台で見たい気もした。(そうか、それでパンフの写真が「傘」なのか…。いま気が付いた。)
そして、最後の「ユキエさんの手紙」のシーン「心と気持ちは違うのです」これはとても重い科白(セリフ:原作はこう書いてました)解っていてもそう思えない、やらなければならないのに出来ない。
これがこの作品のテーマなのかどうか解りませんが、仕事を溜めて遊び回っている私にはかなり応えました。
ところで「私のいれたコーヒーはおいしいですよ」と何度も広瀬教授がいうので、コーヒーが飲みたくなったと一緒に見に行ったカメラマンが言っておりました。
広瀬教授のコーヒーかぁ…。