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オフクロが寝込んだ

よたか2016.08.10 23:00:00

お互いにあまり干渉せずに一緒に暮らして、1週間ほど経った。オフラインにも慣れてきて、起きている時にはそれなりに何かしら作業をしてた。

私は、高校の頃を思い出してた。
中学3年の時に進路の事で揉めてから、家族とは距離を置いた。留年しない程度に学校に行って、部活とバイトに時間を使って遅く帰り、なるべく家族に会わないようにしていた。

その頃は5人家族の中で孤立していたのは私だったので、オフクロはさほど寂しさを感じなかったんだと思うけど、今回は2人しかいないのにお互いが話掛けない状態が続いていた。

一人で仕事をしている私は、慣れているのでそれほど苦にならなかった。
オフクロは、部屋でオヤジの遺影を見ながら溜息をついたり、遺品を片付けながら手を止めている時間が増えたように感じた。

この時のオフクロは、静かに過ごしたかったのか、もっと話をしたかったのか、今でもよくわからない。
ただ、誰かがそばにいる必要がある事だけは感じていた。
何もしなくても、誰かがそばにいる。それが大事なんだと勝手に解釈してた。

トレーニングジムに行って部屋に戻ると、部屋が暗かった。
テレビかラジオだかの、ホークスの試合中継も聞えてこない。
出かけるとも言ってなかったので、不安を抱えて部屋のあかりを点けると、仏前でオフクロが唸っていた。

かなりイヤな感じ。近くに寄って声を掛けると「ノドと頭が痛い」と、かすれた声が聞えた。
まず水分は取らないといけないので、とりあえず麦茶を飲ませた。
食欲はないらしいけど、ゼリーなら大丈夫かもしれないと思って、スーパーで5種類ほど買って来た。

ゼリーを口にしてオフクロがぼそっと呟いた。
「ちょっと疲れたとよ」

まぁ、そうだろうな。お金の事とか諸々手続きが終わり、次に何をしていいのかわからなくなって気が抜けたんだと感じた。

ちなみに、葬式自体は家族葬だったので40万円程度だったけど、トータルで100万円は余裕で超えた。詳細は書けませんけど、ちょっとやりきれない。

いきなり、まったく関係ない話です。
以前帰省したときよりもお寺の本堂がかなり綺麗になってたんです。金箔を貼り直したとか、欄間を新調したとか、トータルで8桁にもなったんだとか。
そんな事を自慢げに語られてもどう返事すれば良いやら。
これからは年金と少々の蓄えだけで、何年生きていくのかわからないオフクロは何を思ったんだろう。

話を戻します。
2日ほどずっと寝ていたオフクロは、そばにいる私に聞かせるつもりだったのか、いろんな戯れ言をのたまいます。
「私が死んだら、一緒の墓には入りたくない。永代供養の墓地でいい」
「葬式やら、面倒くさかった〜。もっと簡単でちゃいいとに」
上の妹は「葬式くらいちゃんとせんといかんとよ」とか言います。

言葉どおりに受け取るとそうなのかもしれませんけど、私には「子どもにお金の苦労させたくない」と言っているように聞えました。

本当にめんどくさいオフクロです。

2日ほどでオフクロが全快しました。
残り1週間ほどでしたが、相変わらず私とオフクロはお互い干渉せずに過ごしてました。私たち親子にはこの関係が一番合っているのだと思いました。

ただ、帰る直前に風邪をひいたのは想定外だった。
帰りは18切符で鈍行の旅。
少しでも体力を回復しておかないとまずいな。