掌編・書出し夜明け前のよたか

よたかが書いた5,000文字間での掌編です

ほととぎす よたか

 幸穂(ゆきほ:35歳)は嫌がっていた息子の信広(のぶひろ:14歳)を無理に連れ出して、車で出かけたのは間違いだったと後悔していた。  幸穂の夫である克雄(かつお:38歳)は温厚でとてもおとなしいのに、... つづき……

テロリズマ・パリ よたか

 今年もパリにテロの季節がやって来た。  8月のパリと言えばテロ。テロと言えばパリというくらい、テロはパリの名物です。この10年の間に世界中の組織がパリに集まってきました。  宗教の過激派や、極右の実... つづき……

ちょっと未来のうらがわで よたか

 生物が生きていくために必要な栄養が解明されてから何十年も経ちました。栄養価の高いサプリが安く作られるようになったので、人は食べ物を口にしなくても健康で長生きできるようになりました。人々が食料不足... つづき……

デイゴの赤い花 よたか

「あなたは〝デイゴの花〟を知ってますか?」  夢の中の私は、白い着物を着て雲の上の立ってた。目の前にはハッキリしない誰かが私に問いかけた。私は〝神さま〟だと思った。  だけど、私は霊能者でも預言者で... つづき……

春若 恵瑠 《はるも える》 よたか

ためしに書いてみた。 =============== 《あなたは当選したら何ができるの? 聞かせてくれないかしら?》  衆議院選挙が公示される1週間前〝モエル〟がソーシャルネットにこんな書きこみした。候補予定者達... つづき……

初恋 よたか

 彼の初めての買物は『小学1年生』という月刊誌だった。  卒園式が終わったあと、祖母から貰った小銭を握りしめて、商店街の端っこにある本屋へ駆け込んだ。  これからは〝小学生らしい本〟を読もうと思って... つづき……

ドリーム・イーター よたか

 これはネットの普及で、テレビに勢いがなくなった少しだけ未来のお話です。周波数の割当が大幅に削られる事が決まり、やっと危機感を感じた某国営放送でも、過去の栄光を忘れられない人々が、赤字に転落した責... つづき……

もとはじまり よたか

 山中《やまなか》美宮《みく》は京都駅で新幹線から私鉄に乗換えて1時間ほどで目的地に到着した。駅の改札を抜けると空々しい優しさが街中に満ちていた。  まだ午前11時だけど、後の予定を考えて昼食にしよ... つづき……

妹と、菓子パンと、10年目の謝罪 よたか

 かなり無理をして勇祐が大学の法学部へ進学したのは、高2の時に付審判制度を知ったからだった。  付審判が認められる可能性は1%もない。だけど冤罪で射殺された父の事件が再調査できるかもしれない。勇祐... つづき……

妹と、菓子パンと、海を越えて よたか

「お父さんは海をこえて来たの」  小さな蛍光灯の白々としたキッチン。正方形のダイニングテーブルに、まだ夕食の食器が置いてある。食後のお茶を湯飲みに注ぎながら、雅美は勇祐と美弥にそう言った。  2人と... つづき……