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ナイトライディング と 野宿 と なめくじ祭り

よたか2015.08.23 15:49:00


昨年書いた掌編『舞子御前 なめくじ祭りの夜に』の舞台に使った奇祭『なめくじ祭り』を見たくて中津川加子母小郷まで行って来ました。

中津川市と言っても駅から50キロ。むしろ下呂の方が近いくらいくらい。当然のように公共交通機関は1時間に1本程度のバスだけ。


夜祭りなので、終わる頃にはそのバスさえも使えない。どう考えても一泊する必要がある。だけど民宿は予約も取れなかった。

結局めんどくさくなって、20日までは完全に忘れていたのです。
それなのに、21日の朝『8月22日 なめくじ祭り』とプッシュ通知で知らされた。それから急に気になってルートとか調べ始めるともうダメ。
無理だと感じれば感じるほど行きたくなって来た。

ルートは2つ。
高山線使って下呂まで行って15キロ自走。距離は短いけど等高線の間隔が狭すぎる。無事にのぼれる気がしない。
もしくは、千種から中央線で中津川まで行ってレーサーで50キロ自走。多分結構な山道だから今の体力では結構ギリなんだけど、列車の本数も含めて考えて中津川から行く事にしました。

道は予想通りかなりキツイ坂の連続。
背中のリュックが重すぎる。
腰に堪える。

一本道だけど確認の為にマップを見ようと、UQwimaxで接続したけど見事に圏外。もしやと思いYmobile!も確認したけどやっぱり圏外。とんでもない場所に来てしまった。
それで用心の為に印刷しておいた地図を広げると、リュックまでしみた汗でボロボロ。
一本道なのが唯一の救い。でも初めての道なので日が暮れると迷わず走れる自信がない。腰が痛かったけど少しスピードをあげて走った。キツかったよ〜。

右に曲がるところでなめくじ祭りののぼり旗を見つけてそのまま会場まで誘導してもらって無事到着。まだ明るかったので助かった。


昼間のうちに見たかった一本杉も見れたし、九万九千回分のご利益があるお参りもした。さてあとは文覚上人のお墓になめくじが上がって来るのを待つだけ。
でも早くても9時だと言われてちょっとショック。

このなめくじ祭り、奇祭として紹介されて少しずつ規模は大きくなってるらしいのだけど、内容は田舎の地域のお祭りそのものなんです。
広場の一画のステージで子どもたちの演奏やったり、地域バザー開いたりしてるだけだと言ってもいい。
短い参道には露店も出てるけど、メインはこの地域のコミュニティーのお祭りなんです。
つまりよそ者の私には居場所が無いんです。少しくらいお話は出来てもそれ以上は無理。下手に酒とか勧められるのも困るし、結局ウロウロしてました。

でもこの雰囲気仲田通りのお祭りに似てる気がしました。
近くでやってる仲田通りのお祭りは夏休み中にその地域の子どもたちが楽しみにしてるお祭りで、うちの子どもたちの高校生になっても行ってたんです。
ある意味、同窓会なんでしょうね。中学卒業して高校、大学とバラバラになってもそのお祭りに行けば誰かしらと会える感じなんでしょうね。
加子母のなめくじ祭りはそんな雰囲気のお祭りで、高校生くらいの男女がキチンと浴衣を着てとても楽しそうでした。
ちなみに、名古屋でよく見るフリル付きとか、ミニの浴衣は存在してなかった事も付け加えておきます。

個人的には地域密着のこんなにいい雰囲気の祭りだったら無理に大きくしなくてもいい様な気がした。どうせ宿泊客のキャパもなさそうだし大きくするメリットがあるのかなぁ。

加子母は盆地なので日が落ちると一気に暗くなる。そこで周囲を回って灯籠のある萬燈会を歩いてみました。いい雰囲気というか本当に暗闇です。
前から誰か来ても50センチくらいまで近づかないと気がつかないくらい暗いです。おかげでしゃがんで撮影していた女の子蹴飛ばしそうになりました。

この暗闇は財産ですよね。街には絶対無い世界ですから。個人的にはこの萬燈会の方が好みかな。

まだ7時過ぎでしたけど、文覚上人のお墓に戻るともうなめくじが何匹も這い上がって来ていました。
想像していたよりも白く透き通っていて綺麗ななめくじ。
暗くて背中の傷までは確認出来なかったけど、これだけ綺麗だと袈裟御前の化身だと思われるのも何となく納得してしまいます。

誰かが『恨みから墓を喰い齧ってる』と言ってましたけど、少なくともそれは無いかな。かといって伝承のように『慕っている』も違っている。あえて言うのであれば『ご苦労様』とねぎらっているのではないかと感じました。
とりあえず手を合わせて『ご苦労様でした』と唱えてその場を離れました。

そのころ本会場では1回250円の『なめ籤』の販売が始まっているらしくかなりの長蛇の列。1等32インチテレビとからしい。はずれは台所洗剤。どう転んでも荷物になるし、並ぶのもイヤなので買わずに帰る事にしました。


駐車場近くまで戻ると、マイクロバスがピストンで人を運んでいる様子。どこからだろう?
途中に温泉とかもあったけど、多分下呂の方が近い気がする。ちなみに、ここから一番近いコンビニは下呂方面に8キロのところにあるらしい。

会場を離れて屋根つきのバス停で野宿をするつもりだったけど、体が冷えて来たので少し暖まりたい。せっかく温泉の近くだし温泉もいいな。でも下呂で一泊出来るほど予算もない。
よし、下呂の河原の無料露天風呂に入ろう!
そう言う訳で15キロ下呂までナイトライディングする事になった。
出る前に見た地図では、大した登りはないはず。というか結構な下りが続くみちのはず。しかも真っ暗多分街灯の類いはほとんどない。
そんななか、カーブの多い山道を下呂まで下りました。こんなナイトライディング30年ぶり。
昔の知人の誰それはフランスで昼夜ぶっ通しで1,400キロ走ったとか書いてあったけど、毎日のトレーニングを欠かさない彼と私では感じ方も違う。
正直言うととっても恐かった。

下呂についてさっそく河原の露天風呂に向かう。看板には『水着着用必須』とか書いてあるけど、水着着てる人なんて誰もいない。
変に安心して真っ裸になって温泉に浸かった。気持ちいい。人目が気にならないと言えばウソになるけど、そんなの些細な問題。とにかく気持ちいい。
ソコで聞いた話では、この露天風呂は源泉掛け流しでかなり濃いらしい。言われる通り水着なんて着てたら、水着が痛みそうです。
どうだろう、30分ほど入ってから露天風呂の近くの岩に座ってカロリーメイトを食べて下呂駅に向かった。

下呂駅で千種までの切符を買って美濃太田行き最終電車に乗った。
千種までのチケットを持ってるので上手くいけば駅のホームで野宿出来るかと思ったけどそっけなく追い出された。
仕方なく、バス停まで移動してベンチに寝袋を広げて寝た。
まだ涼しいと感じられる季節で良かった。あと2週間もすると、涼しいなんて言ってられないだろう。
だけど、10年ぶりの野宿はキツかった。全然眠れない。20代のときなら速攻で眠れたのに。変なタイミングで年齢を感じてしまった。

何時間も寝てないまま始発電車で名古屋まで帰って来る事になった。日曜一杯は疲れが残って全く動けませんでした。